ぼくは愛を証明しようと思う。|藤沢数希
恋愛工学の始祖 つまり経典
私が藤沢数希なる人物を知ったのは、ホリエモンこと堀江貴文さんがとある講演の中で、
「今は恋愛だって『藤沢数希の恋愛工学』で学べるし……」
と発言したことがきっかけでした。
現在も刊行されているメルマガ『週刊金融日記』にて、金融工学ならぬ「恋愛工学」は、非常に丁寧にかつアグレッシブに、実践と挑戦に富んだレポートが記されてきました。
本書『 ぼくは愛を証明しようと思う。』は、恋愛環境を「市場」として捉え、攻略法を「工学」として体系化したものを学ぶ男の話です。
本書は以下の3つの視点で手に取られることが考えられます。
1.男性向けの恋愛小説
本書は一人称視点のライトノベルと同じ作りにはなっているので、恋愛小説として手に取る人もいるかもしれません。
ジャケットも都会の恋愛を想起させる雰囲気ですし。
ただし、自ら進んで恋愛物を読もうと思う男性は少数派(ハーレム物・エロは除く)です。
2.男性向けの恋愛ハウツー本
本書のメインターゲットはこの視点の層だと考えられます。
なぜなら、本書は極めて優秀な男性向け恋愛ハウツー本であるからです。
異性獲得を命題にしている男性にとっては最高の教科書と言えるでしょう。
ただし、恋愛の全てをカバーしているわけではありません。
それでも方程式はきっちりと説明されています。
3.福音の書
既に恋愛市場から去った男たちが本書を手に取る場合です。
「だから俺はフラれたんだ」
「だから俺はモテなかったんだ」
「だからあの娘は俺に気があるように見えたんだ」
「だから……、だから……」
これまでの人生で謎だった女性の異性獲得に対する思考体系が理解できて、天に召されるのがこの層の男性です。
私のようにホリエモンの話をきっかけに、など誰かのおすすめで本書を手に取った人も大勢いるでしょうが、そんな私達の心には「あわよくばモテたい」という下心が確実に存在しています。
それを承知の上で本書の感想を述べていきましょう。
男性必読!女性禁読!
まず、本書は多数の男性にとって非常に素晴らしい本であることは間違いありません。
なぜなら、これまで誰も明文化できなかった、誰も本質を伝えられなかった『モテる方法』が記されているからです。
なぜ藤沢数希にはそれができたのか?
それは、彼が本当に真摯に「女性の好むこと」を研究したからだと推察します。
その真摯さ、真面目さは、女性から見ると「男ってホント馬鹿」ということになるのですが……。
だからこそ、男性は必ず読むべきで、女性は読むことを禁じたい一冊です。
男性が必読である理由は他にもあります。
著者のインタビュー記事に掲載されていた下の図をご覧ください。
この図を見て男性が理解しなければならないのは、80%の男性がAVと自慰で満足している「非モテ」層であるという現実です。
恋愛工学の骨子に「モテる男はそれが理由でさらにモテる」という法則があります。
本書ではそれを逆に「セックス不足が非モテスパイラルを生む」と表現していて、世の8割の男性に衝撃を与えました。
そして、この現状をきちんと把握してどう抗うのか、非モテ男性に教えてくれるのが本書なのです。
まとめ
本書はある一定の層から非常に毛嫌いされたり、犯罪につながるなどと問題視されたりしています。
しかしながら、きちんと本書の物語を読み解けば、これが一生懸命に人生と戦った人物が書いた物語であることが理解できるはずです。
少なくとも、著者自身はそう胸を張っていることがはっきりと伝わってきます。
内容を自分の行動の参考にするかどうかは別として、全男性は一度読んでおいて損はないでしょう。
くれぐれも、女性は読まないように。
もし読んでも、男性を単に蔑むのではなく、慈愛の眼差しで眺めてくれるように、切に願います。