出会い、別れ、再開。挑戦、挫折、達成。「きっとうまくいく」
チックタック 約束の時計台 (にしのあきひろ 著)幻冬舎
「はぁ、もうダメだ。何もかもうまくいかない……」
大人になれば誰しも一度は絶望の縁に立った経験があるのではないかと思います。
そんな自分への処方箋としておすすめなののがこちら。
もはや言わずと知れたキングコング西野亮廣の絵本プロジェクト、『チックタック 約束の時計台』です。
別れや挫折は永遠たりえない
本書の一番のメッセージは
「今は『何もかもうまくいっていない』と感じているかもしれないけど、『いつかきっとうまくいく』と考えた方が良いよ」
ということだと私は感じました。
なぜそう考えたほうが良いのか。
それは誰にも最後まで結果はわからないからです。
スラムダンクで安西先生もおっしゃっていました、「諦めたらそこで試合終了」だと。
人と人との出会い、チャンスとのめぐりあい、全ては絶望する必要はなく、最後はきっとうまくいくのです。
「うまくいかなかったらどうするんだ!」
私の中には、そうツッコミを入れる私も確かにいます。
しかし本書は「きっとうまくいく」を伝えるために作られたのです。
作家が伝えること
作家は自分が伝えたい、伝えるべき、伝えずにはおられないと感じたことを、物語に乗せて伝えようとします。
本書は冒頭より、不幸というか、うまくいかなかった過去を背負ったヒロインの物語があります。
物語中盤では大きな災いもあります。
「それでも、きっとうまくいく」
著者はその考え方を、その身体感覚を読後に感じて欲しくて本書を著したのではないかと私は考えています。
まとめ
なぜ著者が「きっとうまくいく」を伝えたいのか?
それは著者が全てに対し、そう考えることが肝要だと考えているからでしょう。
また、それを確信し、生き様として昇華させているからでしょう。
本書では時計台が12時を指すことを、うまくいくことのメタファーとしています。
誰だって、いつか必ず12時がくる。
「みんなにもくるから。きっとくるから」
関西訛りの著者の声が聴こえてくるようです。
その声を聴いて、読者の時計台が動きはじめることも、きっとあるのです。