トクサンTVが教える 超バッティング講座 | トクサン著
野球指導者は必ず知っておくべきユーチューバー
私は小学生の頃ソフトボールをやっていて、それなりに野球的な基礎(初心者レベル)が身についていて、バットを振ったりキャッチボールをしたりは普通にできます。
しかしながら、我が子(小学校中学年)にそれを教えようと思ったら劇的に難しい!
特にバッティングに関しては
「脇を開けるな!」
「腰で振れ!」
「肩の力を抜け!」
と、過去に自分が父親に教わっていて「なんのこっちゃ」と思っていた言葉を使って教えていることに気が付きました。
体の動かし方を子供相手に言葉で教えるのはかなり難しい。
それは算数の問題で、「7+8=15」の繰り上がりを教えた時に感じた難しさと似ています。
『既に自分が当たり前として処理していること』
すなわち『普通』を教える難しさです。
そしてバッティングは繰り上がりよりもかなり複雑な仕組みの掛け合わせであり、その分教えることも難易度が高い。
そもそも自分が理解することも困難な問題です。
私が本書「トクサンTVが教える 超バッティング講座」を手にとったのは、そんな難問の答えを探していたことが理由でした。
読むより視る!トクサンTVへの架け橋的な本
まず声を大にして言いたいのが、本書は著者が運営しているYoutubuチャンネル「トクサンTV」の存在が前提であること。
【打撃における"ワレ"】NPB選手のように…強く変化球が打てる魔法 !
本書にも冒頭からYouTube動画へのQRコードもバンバン掲載されており、そちらへの導線を強く感じました。
だからといって本の内容が薄いわけではありません。
第一部はバッティングのパートの説明ですが、非常にわかりやすくかつ新しい。
構えからフォロースルーまでを17に分けて説明してあるのですが、どの項目もきっちり内容を把握することができました。
そして、本書の最も優れている点として感じたのが、トクサンTVの動画を併せ視ることで、理解が更に深まるということです!
※この相乗効果と動画の良さに関してはじっくり語りたいところですが、まずは本書の感想を優先させたいと思います。
第2部はバッティングの悩み相談室、Q&A形式で打撃の悩みを解説しています。
本書に共通している「画像大きめ、文字少なめ」の構成が顕著に出ていますが、子供向けと言って侮ることなかれ。
アンサーの部分はバッター目線の非常に伝わりやすい言葉で書かれていて素晴らしい!
特に、Q06「変化球って、いっぱい種類があって嫌だ」の答えが、「脳内整理」であったのは個人的に感動しました。
変化球に合わせてバッティングを構築するのではなく、軌道とスピードを大別して体の反応で対応するという考え方で、それをイメージした図が載っており非常に「脳内整理」ができます。
「頭を使って野球をしろ!」
と口で言うのは簡単ですが、その言葉が本当に意味することが垣間見えた気がしました。
まとめ
本書「トクサンTVが教える 超バッティング講座」を読んで学ばせてもらったのは、
『今はスポーツも上手に言語化・視覚化されている』
ということです。
ただ闇雲に走り込んだり、素振りをしたり、指導者の言うことだけを守っていたりするのではなく、ネットを通じて楽しく学ぶことができるのです。
もちろん子供達だけでなく、指導する大人の側も学ぶことができます。
本書やトクサンTVからは「野球で成長と成熟をする」ということを感じることができます。
トクサンTVのメインの出演者であるトクサン、ライパチ、アニキ達の野球に対する姿勢は、観るものの心を打ちます。
それは彼らの動画と同じく、技術的に優れているというだけでなく、「真摯に好き」ということがしっかり表現されているからだと私は感じました。
(動画も視聴しつつ、多数の付箋を貼った本書)
これからの人生で、野球だけではなくスポーツや習い事、難しいけど一生懸命取り組みたいことと出会った時には、YouTubeで調べてみること。
そんな知恵を与えてくれたことも、私がトクサンから学んだことであります。