小売再生――リアル店舗はメディアになる│ダグ・スティーブンス (著),斎藤 栄一郎 (翻訳)
店舗経営に携わる者は必読!
「どうすれば集客と売上が上がるか、今後の広告戦略を来月までに考えてこい!」
上司からそんなことを言われた小売店勤務のサラリーマンの方も多くいるのではないでしょうか?
昨今、あらゆる業界で小売店の集客が落ち、売上がダウンしていると聞きます。
本書『小売再生』にもその理由が真っ先に書いてあり、小売店勤務者の心を凍てつかせてくれること間違いなしです(笑)
もちろん私もその一人で、新しい広告戦略のヒントを探して本書を手にしました。
『小売再生』ってどんな内容?
内容を要約すると下記の3点になります。
1.ネット(アマゾン)にシェアを奪われて小売店終了
2.時流についていけなくて小売店終了
3.顧客志向ができないと小売店終了
数値的根拠をきちんと明示しながらも熱く語り上げる文体で、臨場感を持って読むことができます。
『 小売再生 』の一番のポイントは?
私が本書で最も重要と感じたのは
「ボーっとしてたら小売店終了だよ」
ということです。
アメリカや中国では毎年で10%以上の物販シェアがネットに移行。
日本も約7%ずつネットにシェアが移っています。
スマートフォンの普及速度、コンテンツの充実度、機能面の進化、いずれを取っても実店舗に客が増える要素なし!
これまで通りの集客戦略(広告)をやっても、広告過多の現在は誰も見向きもしない!
5年後に売上が30%以上ダウンして、運営が継続できている店舗がどれだけあるか……。
CDが音楽配信サービスに、DVDがネットフリックスに、書籍がKindleに、パソコンがスマホに移行したように、小売店は過渡期を迎えているのです。
小売店勤務の俺氏、じゃあどうする?
ここで私には選択肢が3つあると思います。
1.転職する
2.心中する(店と)
3.本書の通りイノベーションを行う
本書『小売再生』の一番の読ませどころは、小売店の生き残り戦略を提案しているところです。
現状を悲観しているだけじゃなく、精神論でうやむやにするわけでもなく、仮説を立て方向性を提案しています。
それは作者にとっては覚悟のいることです。
なぜなら自分で結果を残したことではないので、的外れの可能性も大いにあるから。
しかしながら小売店を現代に合わせた生まれ変わり方を提案しているのは、作者の市場理解に対しての情熱からではないでしょうか?
その漢気に震えつつ小売店経営者はこの本を読破していただきたいところ。
表紙のコピー『リアル店舗はメディアになる』は、作者ダグ・スティーブンス (著)の未来予測であり、そして心の叫びでもある。
「顧客を楽しませてこその実店舗」と私も共感し、イノベーションを誓う次第です。
まとめ
『 小売再生――リアル店舗はメディアになる 』は、どんな業種でも実店舗を運営している会社の経営者・幹部方には読んでもらいたい一冊です。
そして、そのあとどう考え、どう行動し、どうなるのかはその会社次第でしょう。
ですが、全ては読んでから判断して欲しいと心から願うばかりです。